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3D DICによる金属箔の引張試験へのひずみゲージ影響評価
背景と目的
局部ひずみの計測にはひずみゲージが広く用いられています。ひずみゲージは金属抵抗体を有するセンサーであり、計測対象素材に接着され、素材が伸びた際に生じる抵抗体の抵抗変化から局所的な伸びを計測できるというしくみです。
一方ひずみゲージは、一般的に接着剤により対象に張り付けられるため、箔などの極薄板金属材料や樹脂・ゴムなどの柔らかい素材の局部ひずみの計測においては、ひずみゲージの接着による影響や適用妥当性に関して検証する術がないまま利用されていました。
本事例では、金属箔試験片にゲージを貼り付けた場合と貼り付けない場合で引張試験を行い、それぞれの試験片を3D DICシステムであるARAMISで測定した事例をご紹介します。
DIC測定結果のひずみ分布のそれぞれの試験片の比較と、ひずみゲージ適用部における局部ひずみの値の計測を行いました。
計測条件と計測結果例
- 使用システム :ARAMIS SRX (1200万画素) / 180 frame MV130
- 試験装置 :小型万能試験機
- 計測対象 :アルミ箔試験片・ひずみゲージ有り/無し
- 測定条件 :試験速度 1 mm/sec、撮影速度60 frame/sec

ゲージ無しの試験片の引張方向ひずみの分布の推移が以下のように得られました。
破断する少し前まで平行部は概ね均一なひずみ場となり、破断間際に試験片右側から亀裂が入って破断する様子が捉えられました。
一方、背面にゲージが張り付けてある場合ではゲージ貼り付け部のひずみの値が周辺に比べて有意に小さく、破断時はゲージ部を避けるように、その隣接する領域で破断しました。
一様伸びの過程の同一ストローク時でゲージがある場合とない場合で比べると、比較的初期の段階からゲージ適用部周辺のひずみ分布に相違が見られました。

ゲージ貼り付け部周辺の荷重ひずみ線図を、ゲージがない場合の同じ部位のものと比べると以下のように差が生じることが分かりました。

以上から、ひずみゲージを貼り付けるための接着剤により、貼り付け部およびその周辺においては拘束を受け、素材本来の材料物性と異なることが分かりました。
このことから、接着剤の影響が無視できないような素材の材料特性を精度良く取得するためには、3D DICによる非接触測定が有効であることが示唆されました。
従来法に対するARAMISのメリット
局部ひずみを測定する場合、従来のひずみゲージでは以下のような問題がありました。
- 測定点数が多くなると準備工数が膨大 :15分以上/1測定点
- 測定点数が多いとコストが増大 :約1000円/個
- 伸び計による長いゲージ長での測定には別途セットアップを要する :~1時間
- 接着剤の影響が未知
- 大ひずみ域まで連続測定できず、試験を止めてゲージを貼り替える必要あり
これをARAMISによる3D DICに置き換えることで、工数削減と信頼性向上に寄与するのみならず、コスト低減にも貢献します。
- 準備時間 :5分/1試験片
- 測定点数とコスト :数万測定点/1試験片 ≒ \ 0 -
- 伸び計 :後処理で指定ゲージレングス(GL50, GL80など)での追加測定が可能/~1分
- 非接触測定のため素材への影響無し
- 大ひずみ域まで連続測定可能

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