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金属組織制御のためのDIC・温度分布同時測定
東京工業大学・中田研究室では、金属組織制御のためのミクロ組織の研究が行われています。その中で、GOM社ARAMISとサーモグラフィの同時測定を活用し、金属組織の挙動を可視化しています。

新規加熱冷却装置を用いた電子基板のDIC・温度分布同時測定
本事例では、エスペック(株)様が開発した観察窓が不要な新方式の加熱冷却装置を用い、GOM社ARAMISによる3D DICとサーモグラフィの同期測定を行うことによって、実装基板の変形と温度分布の同時評価を実現した事例をご紹介します。

自動車のNVH対策のための非接触3D振動計測
GOM社ARAMISは非接触で対象の振動やモーションの多点同時計測が可能です。ソフトウエアは計測結果のFFT解析により、さまざまな製品の実稼働解析(ODS)によるモーダルシェイプを得ることができます。
限界解析による金型の最適化
トライアウト/初品検査における成形性評価
ARGUSシステムによって計測した結果を用いたプレス金型修正の最適化に成功した事例をここでは紹介する。このプレス金型は標準的な技術を用いて設計、製造された。最初のトライアウトの後の初品検査において、一部の領域がその成形限界付近またはそれ以上に変形したことがARGUSによる測定により明らかになった。測定対象には、規則正しい配列のドットポイントのパターンがフラットな状態の板金に印字されている。プレス成形の後、部品上の問題となる領域がARGUSシステムを用いて分析された。

図1は変形したポイントパターンが付いた部品が表示されている。ARGUSを使用してさまざまな方向からの画像が撮影され、その後、ARGUSソフトウェアによって、画像内のポイントパターンのドット中心に対応する全ての三次元ポイントの位置座標が自動的に決定された。この三次元ポイントデータによってプレス後の対象物の形状が取得される。
プレス前の材料には等間隔のドット配列がマーキングされているため、隣接するポイント間の距離の変化から、プレス後の部品の表面の伸び、すなわちひずみが取得される。表面の伸びに応じて材料が薄くなると仮定した場合、体積一定則から変形による部品の板厚の減少率が求まる。これを図2に示した。また対応するFLD (Forming Limit Diagram: 成形限界線図)を図3に示した。


このFLDは使用されている材料のFLC (Forming Limit Curve: 成形限界線)を多くの測定ポイントにおいて超えていることを明確に示している。これらの領域では、部品は割れていたり、非常に弱い状態になったりしていて、まったく使用できない状態であると推測される。
そのためARGUSによって提供された情報 (流入の方向、板厚減少率分布の表示、最大主ひずみ、最小主ひずみ、FLD)を活用して、金型が修正され、併せて最適なプレスパラメータが適用された。金型修正結果を検証するための測定も数分で再度実行された。図4には、修正された金型と最適なプレスパラメータを使用したトライアウトにおける2回目のARGUS測定の結果が示されている。


プレス後の形状とともに、プレスによる板厚減少率分布がカラーマップで表示されている。 図5には、すべての測定ポイントに対応するFLD上の位置も表示されている。この画像から、変形後の全領域内でワレに関してプレス成形プロセスは十分に許容範囲内であることを示している。
ARGUSプレス成形性評価システムを利用して、ルールやプロセスを正確な測定結果に基づいて効果的な方法で修正ができる。以降の測定では、このシステムを利用してプレス金型とプレス工程を検証し、その結果を今後のプレス成形プロセス全体に生かせるようにデータベース化した。
このようにARGUSでは、プレス加工によって生じた金属板材のひずみや板厚減少を測定して、新規および再加工されたプレス金型の検証プロセスにおいて危険領域(ホットスポット)を検出し、プレス成形プロセスにおける板材の成形性を評価することができる。さらにこの結果はプレス成形シミュレーションの結果に一致しているかも迅速に確認でき、品質不具合危険個所の見落とし防止においても重要な役割を果たす。

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