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株式会社アシックス 導入事例

株式会社アシックス

IGSブランド

GEL KAYANO X
屈曲性やクッション性、安定性などに優れていることから、ランナーに愛され続けてきた「GEL KAYANO」。今年発表された記念すべき10代目モデルは『BIOMORPHIC FIT』が搭載されたことで今まで以上に心地よくスムーズな走りを実現している。

GEL DSTRAINER IX
「より快適に軽快に走りたい」という、ワンランク上を目指すレースフリークの人に向けたトレーニングシューズ。スピードIGSによる軽快なレーシング設計 を基本に、ソールは厚底にし、アッパーには『BIOMORPHIC FIT』を搭載している。

BIOMORPHIC FIT

アッパーを分断することで 前後の領域を独立してサポート。動作時の足の変形が異なる境界でアッパーを二つに分断し、二つに分かれたアッパーを、伸縮性を持ったストレッチ材で連結さ せている。これによりランニング時の足の変形にアッパーとソールが常に追従するため、従来の製品に比べてフィット性が飛躍的にアップしている。


BIOMORPHIC FITの開発に、MSOLが国内総代理店として提供するGom社の変形解析システムARAMISが使われた。
ARAMISは材料の変形具合を計測する装置。下の図は計測画面のサンプルイメージで、変形の大きさを色で示している。最も強く力が加わり変形していると ころを赤色に、逆にほとんど力が加わっておらず、変形していない個所を青色で現している。BIOMORPHIC FITの開発では、足を曲げた際に、一番大きく変化するアッパーの場所を特定するのに役立った。

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1988年に入社。大学では、機械工学を専攻。友人から『これからはスポーツ業界が面白い』とアドバイスを受けたこ と、学生時代サッカーをやっていてasicsのシューズを使っていたこともあり数ある企業のなかからアシックスを選んだという。CAD推進部などを経て、 現在はフットウェア事業部に所属。

プロ・アマに関わらず、スポーツをする時に“道具”は欠かせないアイテムである。例えば、ゴルフの場合、自分は初心者なのか上級者なのか、身長や体格はど うか、基礎体力や筋力はあるか、目指すプレースタイル(飛距離を優先したい、安定性にこだわりたい…)はどのようなものかなどによって選ぶ道具の種類も変 わってくる。「人から譲ってもらったから」と、自分に合わないドライバーやアイアン、パターを使い続けていると、いつまでたっても思うようなスコアが出 ず、挙げ句の果てには筋肉を痛めてしまうなどトラブルに見舞われることもあるのだ。
もちろんこれはゴルフに限ったことではない。野球ではグローブの大きさや皮の硬さ、バットの素材・長さ・重さ、テニスではラケットのグリップ、面、ガット などなど、こだわりはじめたらキリがないほど、スポーツと道具は切っても切れない間柄といえるだろう。
そのような道具のなかで、ほとんどのスポーツに共通して関わっている道具といえば、そう“シューズ”である。特にマラソンなどの陸上競技おいて、シューズ は単なる道具というだけではなく唯一無二のパートナーでもあり、アスリートたちは、日々トレーニングを積むとともに、より自分の足に合った理想的なシュー ズを求め続けている。
そのようなアスリートたちの願いに応えるべく、長年にわたってバイオメカニクス(=生体力学)に基づいた高機能・高性能のシューズ開発に力を入れている企 業がある。世界的にも認められたスポーツシューズのトップブランド、株式会社アシックスだ。

優れたシューズにつけられるIGSブランド

1949年の創業以来、スポーツシューズにこだわり続け、国内外から高い評価を受けてきたアシックス。常に業界を リードし、高機能・高性能のスポーツシューズを世に送り出してきたアシックスの研究・開発を支えている、いわば頭脳中枢ともいえる部門がスポーツ工学研究 所である。
1985年に正式に発足したスポーツ工学研究所は、発足以来、バイオメカニクスに基づいたシューズの研究・開発・性能評価を一手に引き受け、アシックスの シューズ開発において重要な役割を果たしてきた。そして2002年には、長年におよぶ研究開発の知識とノウハウを基に《IGS(インパクト・ガイダンス・ システム)》というランニングシューズの画期的な設計理念を生み出したのである。
「《IGS》とは、スピード走行のためのスピードIGS、快適走行のためのコンフォートIGSというように、運動中の足が目的とする動作を行うための必要 な機能がすべて盛り込まれた設計理念のことで、バイオメカニクスはもとより、材料力学・衝撃工学など幅広い知見に基づき研究・実験を重ねて生み出した理念 です。現在のアシックスのランニングシューズは、《IGS》に基づき開発された、いわば『最適化されたシューズ』にのみ《IGS》マークが付けられて販売 されています。(西脇氏)」
《IGS》マークが付いているシューズは、その設計の正しさが実験的にも理論的にも証明されているものであるということは解ったが『最適化されたシューズ』とは、具体的にどういうものなのだろうか。
「一般的にランニングシューズに求められる機能は“屈曲性・軽量性・緩衝性・通気性・安定性・グリップ性・耐久性”と言われています。それぞれの機能は人 がより快適に走るために欠かせないものですが、これらの機能がすべて盛り込まれているシューズを『最適化されたシューズ』と考えています。(西脇氏)」
《IGS》が確立されたことで機能・性能ともにもっとも理想的なランニングシューズ=『最適化されたシューズ』が世に送り出されるようにになったわけだ が、その後、スポーツ工学研究所ではランニングシューズの更なる進化を目指して、新たな課題に取り組みはじめた。
すべてのランナーが「ランニングシューズにもっとも重要である」と感じている機能=“フィット性”の向上である。

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“フィット性”の数値化から生まれたBIOMORPHIC FIT

そもそも“フィット性”に目をつけたキッカケは何だったのだろうか。
「おかげさまでアシックスのシューズは国内外から高い評価を受けており、なかでもソール(シューズの底の部分)についての評価は非常に高く、私たちも最適 な設計がなされていると自負しています。しかしある時、海外から『アッパー(足全体を包みこむ側面部分)をなんとかしてほしい』という要望がありまして、 それに応じるために理想的なアッパーの研究をはじめたのです。その結果《IGS》という設計理念を確立することができたのですが、《IGS》をさらに進化 させるためには何をしたらよいかを考えたところ、次世代のシューズにはランナーたちが最も望んでいる機能=“フィット性”を加えることが必要だと思いまし た。(西脇氏)」
“フィット性”と一言でいっても、その感じ方は人それぞれである。屈曲性や通気性、軽量性などの機能とは異なり、数値化・定量化など不可能に近いとも思わ れるが、具体的にどのようなアプローチを行ったのだろうか。
「本来“フィット性”とはアッパーに依存するものです。しかし従来のアッパーは、静止時における足の形状を基に設計されているため、動くとシワが発生し ソールと足とが微妙に離れてしまいます。これではフィット感は得られません。“フィット性”を向上させるためには、静止時・動作時に関係なく、足の動きに 常にアッパーが追従することが必要です。そこでまずは人間がランニングの際に足を蹴り出す時の足の変形を測定し、人間の足がどのように変形するのかを調べ ることにしました。(西脇氏)」
研究の結果、人間の足はランニングの蹴り出し時、ある部分を境に変形が大きい領域と小さい領域に分かれることが判明したという。その成果を基に、西脇氏は新しいアッパー開発に取り組んだ。
「足の変形状態が変化する境界ラインでアッパーを前後に分断し、境界部分に伸縮自在なストレッチ材を組み込めば、シワの発生を防ぎ、常にソールを足に追従 させることができるのではないか考えました。そうして生まれた新規格が、足の自然な動きにアッパーが適応しソールが常に足に追従するランニングシューズ 《BIOMORPHIC FIT》です。(西脇氏)」
従来の機能である“屈曲性・軽量性・緩衝性・通気性・安定性・グリップ性・耐久性”に“フィット性”が加わったことで生み出された理想的なランニングシューズ。
単なる道具の域を超えた画期的なこのランニングシューズは、プロのアスリートはもちろんジョギング愛好者から市民ランナーまで“走る”ことに魅せられたすべての人たちの真のパートナーといえるだろう。


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