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日本旅行 導入事例

日本旅行

未知なる新しいもの。
人はそれに強く惹かれると同時に、その可能性に疑いをもち、
躊躇することがある。
いつの時代も変わることのない光景だが、可能性に賭け、
結果として大きく変貌する企業も数多く存在する。
国内でも有数の旅行会社である日本旅行は、
新たなマーケティングの方法を模索していた。
それは前例のない方法だった。
「これ、やりましょう」
これまでにない、新たなマーケティングの領域へと踏み出した。


Rapi NAVIについて

「おサイフケータイをラピナビにかざすだけで、ウェブサイト誘導やメール配信、クーポン券・店頭案内の配布など、あらかじめ設定した任意の操作を自動で実行させることができます。非接触IC技術「Felica(フェリカ)」を搭載するすべての携帯電話(おサイフケータイ)に対応しております。

Rapi NAVI
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日本最古の旅行会社

日本最古の旅行会社東京・墨田区を流れる隅田川。その川沿いにそそり立つ33階建ての巨大な建物に入っているのが日本旅行だ。
「どうもわざわざお越しいただきまして」
そう快活に答えるのは日本旅行の七海聡子氏である。
日本旅行が創業されたのは明治38年の1905年。日露戦争がおこなわれていた年であり、日本最古の旅行会社である。
国内旅行では『赤い風船』『ウエンズ赤い風船』というパック旅行のブランドがあり、海外旅行では『マッハ』『ベストエクセレント』『ベストツアー』の3つのブランドを揃えている。その昔、「いい日旅立ち」キャンペーンをおこなっていたのは日本旅行であり、最近では『あだ討ちツアー』などが人気を呼び、“浪速のカリスマ添乗員”として全国に名を轟かしている平田進也氏も日本旅行の社員だ。
「私のいる部署は『東日本海外旅行商品部』といいますが、関東甲信越以東の北海道を含むエリアを管轄し、メインの成田発の他、新潟・仙台・札幌等々の地方発の海外旅行商品も扱っています。航空券などの仕入部門、手配・オペレーション部門、商品をつくる造成部門などがありますが、私が所属しているのがマーケティングです」
一言でマーケティングといっても、キャンペーン展開などの販売促進、CSの取組など多岐に渡っており、仕事の幅は実に広い。
「当社は直接お客様に商品を販売する直営店舗をもっており、それを統括する部署として営業本部があり販促活動をしています。マーケティングチームは営業本部やグループの販売会社と連携し、商品の販売計画を達成すべく、どのパンフレットを棚のゴールデンラインにもっていくべきか、集客キャンペーンはどのようにするべきかなどの販売促進展開を計画・実行していきます」
また、店舗だけでなく、ホームページや、他の旅行会社経由でも販売しているため、それぞれのチャネルに合った販促活動も実施している。そんな中、同社がPR活動の一環として3年前から参加しているイベントが『Let’s go 海外』である。


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イベント出展も、目新しさに苦戦

イベント出展も、目新しさに苦戦

『Let’s go 海外』の主催は、在日の各国の観光局からなる非営利団体「ANTOR-Japan(在日外国観光局協議会)」が、海外旅行の需要促進を目的に2006年から毎年7月に開催しているものだ。
1回目は丸の内にある東京ビルディング「TOKIA」で、2回目は表参道ヒルズの「スペースオー」でおこなわれ、3回目となる2008年は六本木の「東京ミッドタウン」で開催されることとなった。
出展のほとんどは各国の観光局で、その数は50か国近くになるが、その中で旅行会社として3年連続で出展し続け、今回、旅行会社としての唯一出展したのが日本旅行である。
「『Let’s go 海外』は、お客様に旅行商品のご相談・受付をおこなうことはせず、あくまで海外旅行のための情報提供がメインとなる需要喚起を意図したイベントですが、こういった機会を有効利用することで、『日本旅行』という社名とともに弊社の海外パッケージ商品ブランドをより広く告知することができるのでは、と考えました。このイベントは毎年1日だけの開催ですが、毎回数千人もの来場者を集めるため宣伝効果は高く、知名度アップに効果的だと認識しています」
各国の観光局はブースを設け、来場者に対してパンフレットなど自国の観光PR用の資料を配布・説明するのが中心だが、日本旅行ではアンケートを実施して来場者の属性をとり、それをマーケティングに活かすことに主眼を置いている。
「アンケートに答えてもらうと空くじなしのスピードくじを引くことができ、キーホルダーや文房具、世界のお菓子、割引券などがもらえます。ただ、これまで2回出展しましたが、課題だったのがアンケートの入力です。紙でアンケートをとるとデータ入力に手間がかかり、その負担を少しでも軽減できないかという思いがありました。また、紙によるアンケートは目新しさがなく、何かもっと楽しくて人目を引く新しいものはないかと思っていました」
そんなとき、七海氏はWeb上の販売促進を担っているICT事業本部からある機器の存在を知らされる。
七海氏の目が、輝いた。


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いよいよ『Let’s go 海外』開催

いよいよ『Let’s go 海外』開催

ICT事業本部が七海氏に紹介したものは、非接触型リーダライタの『Rapi NAVI(ラピナビ)』だった。
「私はこれまでおサイフケータイを一度も使ったことがなかったのですが、携帯電話をかざすだけでURL誘導やメール自動起動などができることに驚きました。これなら、アンケートのデータ入力の手間が減るのはもちろん、紙のアンケートと比べて楽しさがあるだろうと」
七海氏が考えたのは次のようなものだ。まず、おサイフケータイを『Rapi NAVI』にかざしてもらう。そして、URL誘導によってアンケート入力の画面を表示させ、そこに質問項目を出し、すべて答えてもらうと「抽選券獲得」という文字が現れ、スピードくじを引く権利が与えられるという流れだ。
おサイフケータイに対応していない来場者がいることも想定し、紙のアンケートも用意したが、面白いのは紙のアンケートと『Rapi NAVI』で質問内容を変えたことだ。
「紙のアンケートには住所や氏名などの個人情報や、今後おこなってみたい地域など細かい項目まで入れましたが、『Rapi NAVI』は気楽に利用してもらうことを考えて、『年代』『性別』『資料を送付してよいか』の3点のみに絞りました。ただ、前例のないことだったので、どこまでおサイフケータイをかざしてくれるのだろうかという不安もありました」
イベント当日の2008年7月6日、最高気温30.7℃を記録した快晴の日曜日、5台の『Rapi NAVI』と5名のスタッフで開場を待った。11時、開場。同時に、20~40代の女性グループやカップル、60歳以上の熟年夫婦など大勢の来場者が、会場の東京ミッドタウンにどっと押し寄せた。
ブース内、ブース外ともにスタッフ2、3名を配置し、ブース内には『Rapi NAVI』をテーブルに置き、ブース外では『Rapi NAVI』にストラップをつけて首からぶら下げ、次々に声をかけていったが、反応はいまひとつだった。
だが、七海氏らはやがてあるコツを習得していくことになる。


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会場に鳴り響く「ピッ!」

会場に鳴り響く「ピッ!」

「最初は『おサイフケータイのある方はかざしてください』と声をかけていましたが、『私は違います』『なんですかそれ?』という方がいらっしゃったのですが、携帯電話を見せてもらうとおサイフケータイというケースが見られました。そこで、『おサイフケータイ』という言葉をやめ、シンプルに『ここにケータイをかざしてください』という表現にしてみました」
効果はすぐに現れた。気軽に携帯電話をかざしてくれるようになり、そのたびに日本旅行のブースで「ピッ!」「ピッ!」という電子音が鳴り響いた。
当日の来場者は開場中の8時間の間に4,000人近くにもなり、日本旅行のブースにも600人もの人が詰め掛けた。それは1人当たり48秒で対応しなければならなかったことを意味し、非常にタイトな状況だった。
「残念だったのは、来場者があまりに多く行列ができている状況だったため、並んでいる方に紙のアンケートを使わざるを得なかったことです。最終的にはアンケートの10分の1くらいが『Rapi NAVI』によるものでしたが、余裕のあるイベントならより効果を発揮したと思います」
一方で収穫もあった。
「イベントの前におサイフケータイの所有率は6割くらいと聞いていましたが、実感としては7割くらいはもっているように思いました。そして興味深かったのは若い人たちにとても受けがよかったことです。みなさん面白がってかざしてくださり、若い方のアンケートが非常によくとれました」
「つまり──」
七海氏は、おサイフケータイの今後の可能性について語り出す。


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未来を、見つめる

未来を、見つめる

「今回初めて『Rapi NAVI』を使ってみてわかったのは、おサイフケータイは若い人を中心に確実に浸透しつつあることです。実はインターネットの利用者も2000年は20代が全体の23.6%を占めていましたが、2006年には11.9%まで低下しています。これは40~50代の利用者が急増したことによるもので、新しいものはまず若者から浸透します。おサイフケータイも同じ流れを辿ると考えており、そのときは、マーケティングツールとして今以上に大きな可能性が拡がります」
七海氏が考えているのは、自社の携帯サイトへの誘導だ。価格の高い海外旅行は対面販売が主流だが、比較的低価格な国内旅行なら携帯電話で直接受注につなげることが可能だ。
「いきなり当社サイトへ誘導するのは抵抗を与えるため、まずは『情報提供』としての使い方を考えています。当社の店舗は24時間営業ではないため夜は閉まってしまいます。そんなとき、店舗の前を通ったお客様が『明日泊まれる宿はないか』と、店の前にある『Rapi NAVI』に携帯電話をかざすと宿の情報が取得できるようにします。そこで当社の携帯サイトとリンクさせれば受注の可能性も出てきます」
インターネットが世間に登場し始めた1990年代半ば、ほとんどの人はここまでインターネットが生活に深く根付くことを予想していなかった。だが、一部の先見性に長けた人たちは黎明期からノウハウ構築に取り組み、やがて有数の企業へとのし上がっていった。
「便利で使いやすいものはあっという間に普及するものです」
日本旅行は未来を見据え、「黎明期からの仕込み」によって、他社の一歩先を歩もうとしている。


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