製造ソリューション事業本部

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「自動化から自働化」の波には乗った方がよい?掲載日:2022/07/06

2022年6月22~24日に東京で「次世代3Ⅾプリンタ展」が、6月30日から7月2日まで愛知で「ロボットテクノロジージャパン」が開催され、出展参加しました。その中で「自動化から自働化」についての多くの展示があり、その波には乗った方が良いか考えてみると...

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

次世代3Dプリンタ展に出展しました

前回のコラムでもお知らせしたとおり、2022年6月22~24日に東京で「次世代3Ⅾプリンタ展」が開催され、弊社丸紅情報システムズ株式会社も出展し、筆者も3日間参加しました。ご来場いただきました皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

3日間とも予想以上の来場者が来られたようで、活況でした。特に弊社ブースではDesktop Metal Shopシステムのプリンターを国内初実機展示をしたことで、多くの方に注目頂きました。

その他金属バインダージェッティングならではのサンプルも多数展示しました。

また、Desktop Metal社が開発した、金属バインダージェッティングの焼結現象シミュレーションから、焼結時の自重や形状による収縮異方歪みを予め補正し、焼結品の形状寸法品質を高めるソフトウエア「Live Sinter」の使用前後サンプルも初めて展示しました。下の写真の通り、補正せずに焼結した後の②の形状は直線部が曲がって見えますが、Live Sinterで補正した形状を焼結した④は直線に出来ていることがわかります。

メディアの方々にも取材をしていただき、例として下記の記事を掲載頂きました。

日経クロステック様 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/13188/

その他、Stratasys の新しい紫外線硬化樹脂DLP方式「P3テクノロジー」による3DプリンターOrigin Oneも初めて会場で造形実演展示をしました。

もちろん展示以上に有意義だったことは、久しぶりに多くの方と直接お話でき、近況や課題をお聞かせいただけたことで、前回のコラムで書いた「ニワトリ」を既に持たれている、または展示会で見つけられたこともわかり、これから様々な「タマゴ」で希望や課題を解決したり、またそのニワトリから新たなタマゴが出来るよう、筆者もお役に立てればと思っています。

展示会で見た「自動化から自働化」の波

2022年6月30日から7月2日までAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で「ロボットテクノロジージャパン」が開催されました。実はとあるご縁から、切削加工に使う工具や部品の製造販売で世界的にも有名なオーエスジー株式会社様と人工衛星をサステナブルにするサービスを提供される株式会社アストロスケール様の宇宙ロボット企画展示ブースに急遽参加し、Desktop Metalのサンプル展示説明をさせていただきました。

オーエスジー株式会社様は愛知県豊川市の本社オーエスジーCSセンターにて、優れた設備と高い技術で各種切削実験を有償で行われていて、今回はDesktop Metal Studioシステムで作成した、難削材とされるSUS316Lのパーツの水平面を、超硬防振型エンドミル「AM-VEL」で平面仕上げ(写真中央)や追加研磨加工(写真右)をしていただき、サンプル展示により、このような加工で実用部品・治工具の製造を提案しました。

こちらも予想以上に多くの方が来場され、特に中京地区のロボット産業の発展と需要の高まりを実感することが出来ました。その中で、隣のブースで出展されたinaho株式会社様のAIによるトマト収穫ロボット含め、本当に多くのアーム型ロボット、協働ロボットが展示されていました。

弊社丸紅情報システムズ株式会社でも「協働+自律搬送」などに使える自律走行型搬送ロボット「EffiBOT」も販売していますが、プログラム通りに動く「自動化」から、センサーやカメラの情報から動きを自律的に変え、更に人と協働することから、人との接触や障害物も検知して安全に動く「自働化」への波が来ていることも実感しました。一方で日本では特定産業、大企業以外へのロボットの導入があまり進んでいないとも言われ、もちろん投資対効果の他、プログラミングの難しさ含めたハードルがあり、それらを「自働化」が下げることが期待されているそうです。また、ロボット導入は単なるコストダウンや人からの置き換えではなく、組織、プロセスやサプライ構造や組織文化まで変えることを期待すべきとの、まさに3Dプリンティングと共通する見方があるようです。3Dプリントシステムにも、以前のコラムでご紹介したBMWグループのAMによる自動車部品自動製造システムや多種センサーによる自律機能を持つプリンターも増えており、もちろん自動・自働化には功罪、賛否、難易もありますが、この波には乗っていく方が良いのではないでしょうか?

前述の収穫ロボットのトマトをつかむグリッパー、カメラやセンサーホルダーなど、その他多くのロボットグリッパーや運んだものを置くフィクスチャに樹脂FDM製実用パーツが多く見られました。これも自働化、協働化で掴むモノ、掴み方に合った最適形状、軽量と強度の両立、安全のため角の丸い形状などが求められ、それには従来の金属・樹脂ブロックからの切削組み立てより、3Dプリンティングでの設計製造とカイゼンが適していて、それらが自働化への波を広げる後押しになっていると考えています。

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