Channel Well Technology 導入事例
相合家具製作所 様

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モバイル/フェリカ製造業

Jun.2018

人に寄り添い、つながりをもたらす
「ワイヤレス給電付きコネクトテーブル」開発秘話!

1つの家具を置くだけで空気が変わる。
そんな家具をつくっているのが、相合家具製作所だ。
同社の家具は、オフィスや大型商業施設、飲食店、ホテルなどの業務用途で利用されている。
ライフスタイルや働き方が多様化する中、
「家具は人と人の心をつなぐコミュニケーションツール」という
同社のビジョンはますます輝きを放つ。
同社の業務用家具は耐久性だけでなくデザイン性を重視しており、
2015年度グッドデザイン賞受賞など優れたデザイン力に対する評価は高い。
今春に発表された「SOGOKAGU 2018-2019コレクション」の注目新商品は、
ワイヤレス給電付きのスタイリッシュな「CONNECT Table(コネクトテーブル)」 会議室や飲食店などで気になるスマートフォンの充電ニーズに応える、
将来のスタンダードを見据えた相合家具製作所からの新提案だ。
同社の家具づくりへの姿勢とともに新商品開発の舞台裏を追った。

01働き方改革時代へ「ワイヤレス給電付き業務用家具」という新提案

2017年秋、来年度に取り扱う商品をまとめたカタログ「SOGOKAGU 2018-2019コレクション」の中でトピックスとなる新商品開発の企画会議が行われていた。設計、生産に要する期間を考慮すると、もう時間は余りなかった。同社 企画室 小幡晃介氏は「ライフスタイルや働き方の多様化が進む中で、新たな価値を提供する業務用コントラクト家具を提案したいと考えていました」と振り返る。
1961年創業の相合家具製作所は、洗練されたデザインと優れたコストパフォーマンスを基本理念に掲げている。創業以来、椅子やテーブル、ソファなど業務用コントラクト家具の企画・製造・販売を行い、オフィスやフードコート、大型商業施設、医療・福祉施設など様々なシーンに耐久性はもとよりデザイン性に優れた家具を提供してきた。
話題性のある新商品開発のヒントとなったのは業務用家具市場に関する営業の発言だった。「近頃、お客様との会話の中でよくでてくる話題は、スマートフォンのワイヤレス充電ができる家具があるといいねということ。ワイヤレス充電は充電器に載せるだけ、非接触で充電できるためケーブルが必要なく、コネクタの破損などの心配もない。海外ではカフェや空港のラウンジ、ホテルのフロント前などで多く見かけるのに、日本ではまだ普及していない」
営業の話をきっかけに「2017年9月、Apple社の新型iPhoneにワイヤレス充電が導入された」というニュースがその場で話題にのぼり議論が活発になったという。メジャーなAndroid端末ではすでにワイヤレス充電に対応した機種が登場しており、日本で利用者の多いiPhoneでの対応により今後普及が一気に進むことが期待される。競合他社がワイヤレス給電付きの家具を販売する前に、相合家具製作所からの新提案というかたちで世の中に送り出すことができれば、話題性もインパクトも十分ある。問題は、短時間で完成度の高い商品をどうつくりあげていくか。その答えは身近にあったと小幡氏は話す。「最初からすべてつくるのではなく、今回のコレクションで発表する新商品CONNECT Table(コネクトテーブル)にワイヤレス給電付きのモデルを追加することにしました」
コネクトテーブルは、「SOGOKAGU 2018-2019コレクション」のテーマである、人に寄り添い、つながりをもたらす「CONNECT(コネクト)」を具現化する美しい漆黒の長いテーブルだ。長円形の天板は視線を中心に集めることで自然と会話を生み出し、丸みをもたせたエッジが人に柔らかく寄り添う。オフィスからホテルのラウンジ、公共施設まで、人が集い会話を楽しむ幅広いシーンで活躍するコネクトテーブルに、ワイヤレス給電付きのモデルを加えることで、近い将来のスタンダードを見据えた業務用コントラクト家具の姿を提示できる。
企画室ではすぐにワイヤレス給電製品の選定に入った。だが、据え置き式ばかりで、同社が求める埋め込み式はなかなか見つからなかった。

※コントラクト家具:コントラクトとは契約の意味。公共施設や商業施設、オフィスなど業務用途の注文をもとに、契約によって大量生産される家具。

小幡 晃介 氏

02家具は人と人の心をつなぐコミュニケーションツール

なぜ、埋め込み式のワイヤレス給電製品でなければならないのか。小幡氏はその理由について「パブリックスペースで利用する業務用コントラクト家具では盗難防止の観点が重要となることから、埋め込み式の採用が不可欠だったのです。またコネクトテーブルのデザインを損なうことなく、テーブルとの一体感を実現できるものが求められました」と説明する。さらに家庭用家具と業務用コントラクト家具の違いについてこう続ける。
「不特定多数の人が利用する業務用コントラクト家具は、家庭用家具に比べて利用頻度が多くなるため耐久性がより求められます。また、様々な人が利用した際に心地よいと感じるデザインが必要です。用途に合わせることはもとより日本人に適したサイズなど、これまで長きにわたり蓄積してきたノウハウや技術を活かしています」
2015年度グッドデザイン賞受賞の木製椅子「CAKE(ケイク)」など、業界のトレンドを牽引する同社の優れたデザイン力に対する評価は高い。「業務用家具だから頑丈でさえあれば良いというものではありません。食事やショッピング、仕事など、それぞれの目的に応じて、会話が弾む空間、リラックスできる空間、やる気が出る空間など、空間づくりが求められます。当社では設計の社員が営業と一緒に提案から携わる機会が多くあります。私も入社して数年間、営業とペアを組んで、例えばカフェがオープンする際にはオーナー様やインテリアデザイナー様などに対し、そのカフェのコンセプトに合わせた椅子やテーブルなどをセレクトし、ご提案しました。当社には家具を提供するのではなく、家具のある空間を創造しているといった意識が文化として根付いています」
同社の家具づくりの転機となったのは、30年前に発表したオリジナルブランドの椅子「Meetalk(ミートーク)」である。開発コンセプト「椅子は人と人の心をつなぐコミュニケーションツール」は、同社の家具づくりのビジョンとして継承されている。国を挙げて働き方改革を推進しワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現を目指す中、コミュニケーションツールとしての家具が果たす役割はますます重要になってきている。
2017年12月、同社のビジョンを具現化するコネクトテーブルのワイヤレス給電付きモデルの開発に大きな変化が訪れた。埋め込み式のワイヤレス給電製品が見つかったのだ。

03埋め込み式のワイヤレス給電製品により、デザインとの一体感を実現

小幡氏は丸紅情報システムズのホームページで求めていた埋め込み式のワイヤレス給電製品とついに出会った。「すぐに丸紅情報システムズに連絡し、Channel Well Technology社のワイヤレス給電製品についてプレゼンテーションを行ってもらいました」
Channel Well Technology社のワイヤレス給電製品は、iPhoneをはじめ多くのスマートフォンが採用しているワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に準拠しており、お客様のニーズに合わせてサイズや形状、色などのカスタマイズも可能だ。だが今回、カスタマイズの必要はなかったという。
「最初からコネクトテーブルのためにつくった製品であるかのように、色も標準のまま使用できました。また天板に穴を開けてそこにはめ込みビスで止めるだけで、簡単かつフラットに設置することができました。デザインと一体化しており、違和感は全くありません。2018年1月、丸紅情報システムズと打ち合わせを行い、ワイヤレス給電製品を設置する位置やレイアウトを決めて約一カ月で仕上げました。丸紅情報システムズにはChannel Well Technology社との密な連携によりきめ細かくサポートしていただきました」
実は、ワイヤレス給電製品の前にも丸紅情報システムズとの関わりがあったという。「当社では紙のデザイン案を3D CADで立体化して確認し、それを3Dプリンターにより縮小サイズで出力して形状やバランスをチェックすることで、検証作業の大幅な効率化を図っています。3Dプリンターは丸紅情報システムズから購入しました。開発期間の短縮化と、デザインの完成度を高めるのに役立っています」

04フリーアドレス導入によりワイヤレス給電付き家具の利用シーンが拡大

2018年春、「SOGOKAGU 2018-2019コレクション」のカタログに大きく掲載されたワイヤレス給電付きコネクトテーブルのページを開いて、小幡氏は「お客様からの反響がとても楽しみです。ワイヤレス給電の位置や数などのご要望にもお応えできます」と笑顔で話す。
ワイヤレス給電は様々な業務用コントラクト家具への展開が期待できる。今後について小幡氏はこう言及する。「オフィスのリフレッシュエリアなどで仕事ができるフリーアドレスを導入する企業が増えています。フリーアドレスになると、立ったまま、あるいはちょっと腰かけて軽くミーティングするといったケースが多くなります。そうした空間のほうがフランクな雰囲気で意見も出やすくなる傾向があるようです。会話している間にスマートフォンを充電できると利便性が高まることから、スタンドテーブルやサイドテーブルなどワイヤレス給電の利用シーンも広がります。また飲食店はもとより、人が集いコミュニケーションを行う場において、ワイヤレス給電付きの家具はスタンダードになると考えています」 相合家具製作所のデザイン追求の歩みはとどまることを知らない。2015年秋、同社は三重県伊賀市に業務用コントラクト家具の進化に挑む「DESIGN LABO(デザインラボ)」を設立した。建築・設計を行ったのは新国立競技場などを手掛ける建築家の隈研吾氏である。素材の1つにウレタンを使用するなど、同社が得意とする「やわらかい家具」のような建築を目指したという。デザインラボでは素材の研究から、原寸大のモデルを試作しデザインの検証、強度・耐久性などの多角的な試験まで一貫したものづくりを可能にしている。
美術大学出身の小幡氏は「ものづくりがしたい。特に不特定多数の方にご利用いただける家具をつくりたいという想いがあってこの業界に飛び込みました」と話す。同社は、毎年イタリア・ミラノで開催される世界的な家具の見本市「ミラノサローネ」にも欠かさず視察に訪れている。業務用コントラクト家具づくりへのあくなき挑戦は世界へ、未来へと続く。

Solution

Channel Well Technology ワイヤレス給電製品について

Channel Well Technology ワイヤレス給電製品はApple社のiPhoneや、メジャーなAndroid端末など多くのスマートフォンが採用しているQi規格に準拠しており、ケーブルレスで充電可能なワイヤレス給電の普及・拡大のニーズに応えます。ワイヤレス給電送信モジュールは据え置き式だけでなく、家具などと一体化できる埋め込み式も用意しており、お客様のご要望に応じて様々なカスタマイズが可能です。またワイヤレス給電受信モジュールなども提供しています。

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