導入事例

株式会社バンダイナムコスタジオ様

待ち望んでいたスケールアウト型ストレージ
「無停止」だからできる恩恵を享受

株式会社バンダイナムコスタジオ様

写真左:
ET開発本部 未来開発部 システムサポート課 課長補佐
磯部 剛 氏

写真右:
ET開発本部 未来開発部 システムサポート課
石田 和之 氏

2013年9月、スケールアウト型ストレージ本格稼働

バンダイナムコゲームスの開発部門が分社して設立されたバンダイナムコスタジオ。
家庭用、業務用、オンライン・モバイルを中心にゲームコンテンツの制作を行っている企業だ。
バンダイナムコスタジオは開発拠点のグローバル化などに対応するために、2013年にNetAppのスケールアウトアーキテクチャの新OS『clustered DATA ONTAP 8.2』のストレージを導入し、9月に本格稼動させた。

導入背景

「求めていた柔軟性のあるITシステム」

バンダイナムコスタジオは、ゲーム開発者だけで1,000名を擁し、パソコンは約1,500台にもなる。これらの膨大なデータを守っているのが、10名が在籍するシステムサポート課だ。磯部剛氏は導入の背景を次のように語る。
「ITインフラに求められるニーズには様々なものがあります。プログラマーはパフォーマンスを、CGクリエイターは大容量を、スケジュール管理者は高可用性を求めるため、柔軟性の高いITインフラである必要がありました」
また、海外に開発拠点を設けたり、各プロジェクトのリリースも次々とやってくるので、システムを止めることなくメンテナンスができないかと考えていた。さらに、「ゲーム会社にとってデータは最重要な資産なので、データの高い保全性と、大容量をいかに効率よくバックアップしていくかということも求められていました」と語る。

課題

「抱えていた3つの問題」

バンダイナムコスタジオでは15年以上も前からNetAppを丸紅情報システムズから購入している。豊富な経験と技術力による手厚いサポートがあるからだ。しかし、旧バージョンのOSであるData ONTAP 7のストレージの使用において、いくつかの課題を抱えていた。
「1つは容量とコストパフォーマンスのバランスです。ゲームコンテンツのデータ量は年々増加の一途をたどっており、ストレージの容量も逼迫していました。そこで、より安価で大容量なSATAディスクを試したものの、SASやFCを使っていたこともあり、ファイルサーバの性質上、ランダムアクセスが増えてくるので思ったようなパフォーマンスが出ませんでした。大容量でありながらパフォーマンスを向上できないかと考えていました」
2つ目の課題が拡張性。プロジェクトごとに必要となるデータの容量をある程度見積もっているが、実際にデータが見積もり以上に増加してしまった場合、空き容量のある別のストレージリソースにデータを移行する必要があり、思いのほか手間がかかっていた。
「3つ目がメンテナンス時間です。常にプロジェクトが動いていて、メンテナンスを行う隙間がほとんどありません。毎年、年1回のビルの法定停電のタイミングを狙ってメンテナンスをしていましたが、それ以外にもメンテナンスをしなくてはならないことが多々ありました。その場合、該当するプロジェクトの作業を止めてしまうだけでなく、停止スケジュールの調整に伴う精神的な負担も大きく、停止させることなくメンテナンスができないかと考えていました」

大きな3つの課題

  • 1
    データ量増加におけるパフォーマンス低下
  • 2
    データ移行時の業務負荷
  • 3
    メンテナンスにおけるシステム停止
導入

「待ち望んでいたスケールアウト型ストレージ」

システムサポート課で技術的な役割を担い、さらに新商品導入などを提言する立場にある石田和之氏は、長期にわたりスケールアウト型のストレージに着目していた。
「Data ONTAP7は規模を大きくするとコントローラも増えてストレージもどんどん増えていきます。そうなると、様々な調整箇所が出てくるだけでなく、システムとしての整合性も必要となり、管理の手間が大変でした。スケールアウト型なら一元管理ができるので、手間を減らせるだろうという思いがありました」
磯部氏は違った意味でスケールアウト型のストレージを待ち望んでいた。
「開発時間を奪ってしまうシステム停止は、ゲーム開発者にとって致命的なことです。そのため、システムを動かしたままメンテナンスができるスケールアウト型に強く魅了されていました」
2013年7月にNetAppのスケールアウト型アーキテクチャのOS『clustered DATA ONTAP 8.2』がリリースされ、丸紅情報システムズとシステムサポート課の間で現状の課題が解決できることと将来的なあるべき姿が共有できたので導入に踏み切った。
「他社はスケールアウト型を出していたので、NetAppも『ついに来た』という思いでした。無停止でメンテナンスができ、また、SATAディスクでも十分なパフォーマンスが出たので、導入を決断しました」と磯部氏は振り返る。

導入効果

「無停止だから可能になったイニシャルコストの低減」

磯部氏、石田氏とも強調するのが『clustered DATA ONTAP 8.2』がもつ柔軟性だ。
「メンテナンスを行う際に停止を必要とするシステムの場合、停止を避けるために最初からスペックを充実させる必要がありますが、『clustered DATA ONTAP 8.2』は停止させることなくメンテナンスができるので、必要になったらその都度アップグレードしていけばいい。そのため、なだらかに移行する方法をとることができ、結果的にイニシャルコストを抑えることができました」
石田氏はデータが自動的に移動する仕組みに注目する。
「これまではデータ量が増えると、システム管理者がデータを移行する必要がありましたが、『clustered DATA ONTAP 8.2』は、ボリュームがいっぱいになる前に、別ノードへの透過的なボリューム移動ができます。ユーザは作業を止める必要がなく、私たちの負担軽減にもつながっています」

今後の展望

「数年後には完全移行へ」

新システムの本格稼動は2013年9月。データを少しずつ移行しており、数年後には『clustered DATA ONTAP 8.2』にすべてのデータを移行する予定となっている。
「新しいストレージを導入してからバージョンアップは行っていませんが、検証段階ではOSのアップグレードを無停止のまま実現できているので、本番環境でも期待しています」と、石田氏は無停止でメンテナンスできる恩恵を今から待ち望んでいる。
「スケールアウト型のクラスタシステムは私の長年の夢でした。さらに海外の開発拠点とうまくストレージを共有することができれば、ほぼ私の理想に近づいたといえると思います」と磯部氏。
「データの完全移行にはいくつかの小さなハードルがありますが、これまで通りNetAppから次々とリリースされるストレージの新技術と、丸紅情報システムズの手厚いサポートによって、課題をクリアしていけたらと思っています」

Clustered DataONTAP 導入システム構成図

Clustered DataONTAP 導入システム構成図

お気軽にご相談ください


お問い合わせ