導入事例

株式会社アイネット クラウドサービス事業部
プロダクトマーケティング部 兼 クラウドシステム部 部長
高橋 信久 氏

vGPU-VDIクラウドサービス、ドローンIoTプラットフォーム事業等、先進的なデータ活用基盤をクラウドサービスとして提供するアイネット。同社は、SDSを実現するONTAP Selectを導入し、既存の大容量ブロックストレージの領域を使ってお客様のニーズが高いCIFS^※対応のストレージサービスを提供している。また同サービスを利用することで短期間かつ低コストでDR（Disaster Recovery）を実現できるソリューション等、付加価値の向上も図る。
ONTAP Selectの導入は、アーリーアダプターとして業界に先駆けた取り組みだったことから、構築パートナーにNetAppに関する知見と技術力、提案力を有する丸紅情報システムズを選択。今後、両社はビジネスパートナーとしても連携し、企業のデジタル革新の推進に貢献していく。

※CIFS（Common Internet File Systemの略 Windowsファイルの仕組みであるSMB（the Server Message Block）をWindows以外においても利用できるようにしたもの）

課題と効果

大きな投資をすることなくCIFS対応の
ストレージサービスを立ち上げたい

SDSを実現するONTAP Selectを導入し、既存の大容量ブロックストレージの領域を使ってCIFS対応のストレージサービスを提供。IT投資を抑えながらお客様サービスを向上

短期間かつ低コストでDRを実現する
クラウドサービスを提供したい

ONTAP SelectによるCIFS対応ストレージサービスをDRサイトに利用することで、短期間かつ低コストでDRの実現が可能に

業界に先駆けたONTAP Selectの
導入を着実にやりとげたい

NetAppに関する知見と技術力、提案力を有する丸紅情報システムズを構築パートナーとして選択。ONTAP Selectのクラウド環境への展開やサービス化における課題を一緒に解決

1971年創業、独立系IT企業のアイネットは45年以上に渡る歴史の中で、常に時代の一歩先行く新しいビジネスモデルにチャレンジし、顧客に新たな価値を提供してきた。創業以来続くガソリンスタンドのBPO事業はモータリゼーションの進展を支え、全国各地のガソリンスタンドの50%以上が何かしらの処理で同社のサービスを利用している。また国内最高レベルの安全性を備えた自社データセンターと、長年培った運用管理をベースに、様々な業種の企業に開発・保守・運用からプリンティングサービスまで最適なソリューションをワンストップで提供している。
現在、同社が注力しているのが、企業のデータ活用に貢献するクラウドサービスDream Cloudだ。「IaaS、PaaS、DaaS等、充実したクラウドサービスを提供しており、これまで1,400社以上のお客様にご利用いただいています」と同社 クラウドサービス事業部 プロダクトマーケティング部兼クラウドシステム部 部長 高橋信久氏は話し、その強みについて言及する。
「中核サービスであるIaaSのNext Generation EASY Cloud(以下、EASY Cloud)は、これまで蓄積してきた運用ノウハウを活かし、パブリッククラウドではできない個社ごとのセキュリティ要件や運用・監視等に対応しながらも、コスト削減を実現するマネージドクラウドです。運用面をご評価いただき、他社クラウドサービスから移行してくるお客様もいらっしゃいます。またEASY Cloudは国内初のVMware SDDC(Software Defined Datacenter、ソフトウェア定義データセンター)アーキテクチャを全面採用し、優れた拡張性と柔軟性を備えています。アーリーアダプターとして、どこよりも早く革新的な技術を利用し新しい価値を提供していくことも当社の大きな強みです」 大容量データを高速に処理・活用できるNVIDIA仮想GPUソリューションを採用したvGPU-VDIクラウドサービスも業界に先駆けてスタート。またドローンIoTプラットフォーム事業Dream Droneでは、PoC(実証実験)環境を提供するドローン飛行場を有し他業種との協業にも積極的だ。先進的なデータ活用基盤を提供し企業のデジタル革新を支援する同社において、CIFS対応のストレージサービスを求めるお客様の声が高まってきたという。

Dream Drone サービスプラットフォーム

これまで同社のストレージサービスには、オブジェクトストレージとブロックストレージしかなかったという。「お客様がデータ共有やバックアップに普段から使い慣れているCIFS対応のファイルサーバを、クラウドサービスとして提供するためには高額かつ大容量のNASを購入しなければならず、コストの観点で実現できていませんでした。お客様からご要望があった場合にはWindowsサーバを構築しCIFS対応のファイルサーバを提供していました」と高橋氏は話す。 課題解決に向け、同社が注目したのが、業界をリードするストレージ専用OSのNetApp ONTAPをベースにSDS(Software-Defined Storage)を実現するONTAP Selectだった。汎用サーバのハイパーバイザ上で動作し、必要に応じて既存のサーバ、ストレージ等を活用できる点を高く評価したという。「ONTAP Selectを利用することで、既存の大容量ブロックストレージの領域を使ってCIFS対応のストレージサービスの提供が可能となります。IT投資を最小限に抑えながらお客様のご要望を満たすことができる。当社にとって理想的な解決策でした。必要な分だけ購入して利用する1TB単位の容量課金という点も、クラウドサービスに適しています」
SDSを実現する競合製品とも比較したという。ONTAP Selectの採用理由について高橋氏は「お客様の基幹業務で利用されるサービスとなるため、ファイルサーバ分野での長年にわたるNetAppの実績と、実績に基づく安定性を重視しました。お客様に説明する際も、NetAppというブランドが持つ安心感や認知度はサービスの価値を高めます。またストレージ専用OSであることから、汎用OSのような攻撃に晒されにくく、高いセキュリティレベルを実現できる点も採用理由の1つです」と説明します。

2017年7月、ONTAP Selectの採用を決定した当時、日本においてはまだ導入実績がほとんどなかったと高橋氏は振り返る。「優れたコストパフォーマンスでONTAPの高い信頼性、ハイパフォーマンス、高度な機能をクラウドサービスとして、どこよりも早く提供することに大きな意義がありました。アーリーアダプターにとって、技術力のある構築パートナーを選ぶことはなによりも大事です。想定していなかったトラブルに直面したとき、1つのチームとして一緒に課題解決に取り組んでくれるパートナーとして、丸紅情報システムズを選択しました」。
高橋氏は丸紅情報システムズについてこう評価する。「NetAppに関する優れた知見と高い技術力に加え、提案力も含めてコミュニケーション能力を高く評価しました。様々な困難があっても一緒にやりきることができると思いました。実際にその通りでした。当社のクラウド環境にONTAP Selectを展開する際に生じた課題に対し、丸紅情報システムズはNetAppと密に連携し解決策を提示してくれました」

ONTAP SelectによるCIFS対応ストレージサービスのシステムは約一カ月で構築を完了。2018年2月に先行導入を開始し、現在、本格的なサービス提供に向けた取り組みを進めている。新ストレージサービスのビジネス効果について高橋氏は「お客様との接点が広がるとともに、提案内容をより充実させることができます。vGPU-VDIクラウドサービスやDream Droneに新ストレージサービスを組み込み、利便性を高めていきます。また無停止運用を実現するONTAP Selectは、拡張やメンテナンス時もサービスの停止時間を最小化することが可能です」と話します。
今後、サービスの付加価値を高めるべくONTAP Selectを利用した災害対策ソリューションも提供していく予定だ。「これまでDRの実現では、スナップミラー機能でレプリケーションするため、DRサイトにも本番サイトと同規模のストレージが必要でした。NetAppのストレージを導入している企業は、DRサイトとして当社の新しいストレージサービスを利用することでもう1台購入する必要がなくなり、短期間かつ月額の低料金でDRを実現できます」と高橋氏は力を込める。
丸紅情報システムズには新ストレージサービスの安定稼働のサポートはもとより、ビジネスパートナーとしても大きな期待を寄せていると高橋氏は話す。「当社はクラウドサービスも含めてOEM提供を行っており、丸紅情報システムズのソリューションと組み合わせることで新たな価値を提供できると考えています。また丸紅情報システムズが世界から見出した革新的なITを、当社のクラウド基盤を使ってサービス化する等、ビジネスの可能性が広がります」
「情報技術で新しいしくみを創造し、豊かで幸せな社会の実現に貢献する。」企業理念のもと、企業のビジネスプロセス改革や新しいビジネスモデルの創造に貢献するアイネット。丸紅情報システムズは技術力と提案力で同社の取り組みを支援していく。

ONTAP Selectを利用したCIFS対応ストレージサービスの概念図