導入事例

東映アニメーション株式会社様

NetApp EF550
フラッシュアレイにより
高いIOPSとスループットを実現
世界からアクセスが集中する
劇場アニメ紹介サイトの
レスポンス低下を解消

東映アニメーション株式会社様

写真左:
経営管理本部 情報システム部 課長
遠田 浩文 氏

写真右:
企画営業本部 コンテンツ事業部 ネット・モバイル事業室長 新規事業企画チーム
佐渡 和隆 氏

世界を代表するアニメーション製作会社の1つ、東映アニメーション。同社はコンテンツビジネスで重要な役割を担っているアニメーション作品の紹介サイトやオンラインショップサイトを支える仮想化システムのパフォーマンス改善を図るべく共有ストレージにNetApp EF550フラッシュアレイを導入した。製品の選定では24時間365日の安定運用を支える観点から、同社における実績に基づく信頼性と安定性を重視。丸紅情報システムズから検証機と技術サポートの提供を受け、本番さながらの検証を行い、その効果を実感したうえで採用を決断した。導入後、アクセス集中時のレイテンシが120msecのピーク時も含めてゼロ秒となり世界中のアニメファンの満足度向上を図っている。

課題と効果

アクセス集中時、劇場アニメの紹介サイトなどが
つながりにくくなるといった課題を解決したい

NetApp EF550フラッシュアレイの導入によりレイテンシが120msecかかっていたピーク時も含めてすべてゼロ秒に。トータルで3倍から4倍にスピードが向上

オールフラッシュストレージを導入しても運用を変えず
効率的に安定運用を実現したい

NetApp EF550フラッシュアレイは既存のNetAppのOEM製品と運用が変わらないため運用もスムーズ。また可動部品を含まないため故障率が低いことから少人数でも安心して効率的に安定運用を実現

NetApp EF550フラッシュアレイの導入により
どれくらい速くなるのかを検証したい

丸紅情報システムズからNetApp EF550フラッシュアレイの検証機と技術サポートの提供を受け、本番さながらの検証を実施。「これほど速くなるのか」と効果を実感し導入を決断

導入の背景

世界中からアクセスが集中し劇場アニメ紹介サイトがつながりにくい状態に

「ワンピース」、「ドラゴンボール」、「プリキュア」シリーズ、「美少女戦士セーラームーン」など世界の子供と人々に夢と希望を与える作品をつくり続けている東映アニメーション。半世紀にわたり世に送り出された作品群は10,000タイトルを超え、現在も、毎週4〜7作のテレビアニメや年間2〜4作の劇場アニメなどを企画・製作している。
同社の成長は、魅力あふれるアニメ作品を生み出す企画・製作力と1つの作品を多角的にビジネス展開するワンソースマルチユースの両輪が原動力となっている。同社のコンテンツビジネスは、アニメ作品のキャラクターを使った玩具や文具への商品化をはじめ、ビデオグラムパッケージ、インターネット、モバイルへの配信やソーシャルアプリ、さらには海外への展開と幅広い。
同社はコンテンツビジネスを拡大するために商品化計画を戦略的に行うマーチャンダイジングに力を入れている。またテレビアニメや劇場アニメの紹介サイト、オンラインショップなどWebサイトの活用も積極的に行っており、近年、急増するアクセス数に対応するためにITインフラの整備が求められていた。
「2013年公開のドラゴンボール劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』で作品サイトを開設したとき、世界中からアクセスが集中しサイトがつながりにくい状態になりました。この関心の高さはうれしい悲鳴ではあったのですが、世界中にファンを持つ作品の公式サイトを支えるシステムのパフォーマンス改善は重要な課題となっていました」と、企画営業本部 コンテンツ事業部 ネット・モバイル事業室長 新規事業企画チーム 佐渡和隆氏は話す。

導入の
ポイント

アクセス集中によるディスク遅延を解決するためにオールフラッシュストレージを選択

2008年、劇場アニメなどの紹介サイトやオンラインショップサイトを支えるために再構築された既存システムは、物理サーバー4台でVMwareを使って仮想化環境をつくり約40台の仮想マシンが稼働しており、FCスイッチを経由し1台の共有ストレージでバックアップを行っている。
「サイトを訪れたアニメファンが利用しやすい環境を実現するためには仮想化環境全体で考えることが必要でした。ネットワーク、サーバー、アプリケーション(オンラインショップ)の改善を行い、次にストレージに取り組むことになりました」と、経営管理本部 情報システム部 課長 遠田浩文氏は振り返る。
ストレージのディスク遅延の警告メッセージは自社のアニメ番組の放映が集中する日曜の朝の時間帯やオンラインショップでの人気商品の販売時など急激にアクセス数が増大したときに発生していた。「常時10サイトくらいを公開していますが、あるサイトのトラフィック負荷が急激に高まった場合、共有ストレージにアクセスすることで生じる読み書きのボトルネックの影響が仮想化環境全体に広がってしまうことが問題でした」と遠田氏は話す。
仮想化環境における共有ストレージの課題を解決するためには急激なアクセス数の増大に対応できる圧倒的なパフォーマンスが求められた。そこで同社が決断したのがオールフラッシュストレージの採用である。

導入の
プロセス

NetApp EF550フラッシュアレイの検証機を本番さらながらに動かし効果を実感

オールフラッシュストレージ内には可動部品が含まれないため卓越したI/O 性能と極めて低いレイテンシが可能となる。また故障率が低くなることもメリットだ。「今回、システム設計ではシンプルを強く意識しました。ITインフラは2名で担当しているため、人手をかけずに安心して運用できることも重要でした」(遠田氏)
オールフラッシュストレージの選定ポイントでは、世界中のアニメファンが利用するサイトを支えるため24時間365日の安定性と信頼性が重視された。「既存システムのストレージはNetAppのOEM製品であり、社内のストレージのほとんどがNetAppです。これまでの実績に基づく信頼感からオールフラッシュストレージの選定でもNetApp以外は考えられませんでした。まずはどのくらい速くなるのかを試してみることにしました」(遠田氏)
40万IOPSを超えるパフォーマンス、1ミリ秒未満のレイテンシ、最大12GBpsのスループットを実現するNetApp EF550フラッシュアレイの検証機を提供したのは丸紅情報システムズだった。「2005年、SAP導入後の技術サポートを受けて以来、当社と丸紅情報システムズとのおつきあいはもう10年近くになります。今回、NetApp EF550フラッシュアレイを使った検証でも丸紅情報システムズの技術サポートによりスムーズに行うことができました」と遠田氏は話す。
検証は、vSphere Storage vMotionにより実行中の仮想マシンのディスクファイルを検証機に移行し本番さながらに一週間動かして行われた。「こんなにスピードが速くなるのかとびっくりしました。“これでいこう”、ほぼ即決でした。コスト面では5年レンタル費用の中に故障時のパーツ交換などのサポートが含まれている点もポイントとなりました」(佐渡氏)
2014年7月にNetApp EF550フラッシュアレイの採用を決定、同年9月に本稼働した。「インストレーションは午前中で終わり、検証時にネットワークなどのセットアップを行っていたため後はつなぐだけでした」(遠田氏)

導入の効果と
今後の展望

トータルでスピードが4倍向上、既存システムと変わらず運用もスムーズ

2014年9月、本稼働後、ディスク遅延の警告メッセージが発せられることは一切なくなったという。「パフォーマンスデータを見てみると、データがリクエストされてからリクエストが返ってくるまでの待機時間が120msec※かかっていたピーク時も含め、現在まですべてゼロ秒できています。トータルで3倍から4倍はスピードが向上しています」(遠田氏)
なかでもレスポンス向上が顕著なのがデータベースを使っているサイトだった。「特に会員がログインしてアクションするオンラインショップや『ワンピース』のポータルサイト『ONE PIECE.com』のようなタイプのサイトでは、商品やニュースの検索、ページへの遷移などが非常に速くなりました。I/O性能の向上によりトランザクション処理は速くなるだろうと思っていましたが、想像以上でした」(佐渡氏)
運用面では、NetApp EF550フラッシュアレイはディスクアレイ製品とプラットフォームOSは異なるが、既存システムにおけるNetAppのOEM製品の運用と変わらず新しいことを覚える必要もなかったという。
将来の展望について「NetApp EF550フラッシュアレイによりレイテンシを改善することでサイトにおけるビジネス機会損失の回避やサービス向上が図れました。今後、マーケティングの面で重要となるビッグデータなどの分析においてもオールフラッシュストレージの活用を視野に入れています。丸紅情報システムズ、NetAppにはこれからも末永いおつきあいをお願いしたいと思っています」と遠田氏は話す。
日本のアニメのパイオニアから世界を代表するアニメ製作会社へと歩み続ける東映アニメーション。丸紅情報システムズとNetAppは密に連携し同社のさらなる飛躍を支援していく。
※msecはミリセコンドで、1,000分の1秒

EF550 導入システム構成図

EF550 導入システム構成図

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